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 昨年の今頃、彼らはこれから始まる三陸でのフィールドワーク(三陸の海を主な対象とした卒業研究)に胸を膨らませていたはずです。
海や山が好きで入学する学生ばかり。しかし震災は彼らの夢も奪い去りました。
最後の一年を謳歌するはずが、体育館での緊急避難生活。
そしてお世話になった方を三陸に残し、相模原への学び舎の移動。
それが若い彼らの心に、どれだけ深い傷を負わせたかは想像に難くありません。

3月のなごり雪に見舞われた先週末。
以前お知らせしました、北里大学海洋生命科学部4年生が「三陸にありがとうを伝えたい」と言うイベントのお手伝いとして 三陸へと行って来ました。
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その名も「三陸を語らう会」。
3月2日に相模原キャンパスをバスで出発。
三陸キャンパス マリンホールにて3日に挙行し、そのままバスで帰るという0泊3日の弾丸ツアーです。

実現まで紆余曲折あり大変苦労したようですが、当日は地元の方々も沢山足を運んでいただき、三陸を巣立つ彼らと久々の再会に笑顔の花が咲いていました。
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当日は大船渡市出身のシンガーソングライター濱守栄子さんも駆けつけていただき、即興のコンサートを開催。
三陸を巣立つ若人に、はなむけの歌を披露してくださいました。


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私たちお手伝いとして当地を訪れた卒業生の目に、三陸キャンパスはどこか寂しく映り、それと対照的に久々に笑い声や笑顔に満たされたマリンホールが 喜んでいるように見えました。
私たち先輩卒業生たちにとっても三陸は特別なところ。 
「イマドキの学生は」 なんて巷では言いますが、自らが傷つきながらも、それでもなお三陸を思ってくれている現役の4年生たちがいる事が、私たち先輩にとって一番うれしく、頼もしくもありました。
それはこの日足を運んでくれた地元の皆様にも、伝わったと思います。

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自分のことを思い返せば、三陸中央公民館で卒業式を終え、その後大船渡プラザホテルで謝恩会。
地元の方々と、そして共に過ごした仲間と共に三陸で盃を交わし、別れは辛かったですがとても暖かく送り出していただき、社会へと飛び立ちました。
この春社会へと出る彼らの手作りのお別れ会。
不器用で、無骨。
でも、とても素敵で、感動的な時間を過ごさせてもらいました。 

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三陸キャンパスを発つ彼らは笑顔の中にも、名残惜しさが垣間見えました。 

私が昨年三陸を訪れたとき、お世話になった方から「お前たちは川に戻ってくる鮭みたいだな」と言われました。
この春また、鮭の稚魚たちが巣立って行きました。
しばらくは社会と言う大海原に揉まれ、三陸へ向かうことができないかもしれません。
しかしこの若い力はいつの日か、三陸を思う新たな力となり母なる川に戻るはずです。

震災から間もなく一年。 
私たちは決して三陸を忘れません。